フランス・地方菓子・フランス菓子・お菓子教室・料理教室の大森由紀子-Etre-PatisseCuisine

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このページでは、フランスの食文化全般、および、フランスの地方の食について、体験したこと、調べたことをもとに、月に一度の 更新を目安に、お伝えしていきたいと思います。
ぜひお読みいただき、フランスの料理やお菓子のことはもちろん、その背景も知っていただければ幸いです。

初級編は、Q&A式で、幅広いテーマを扱います。
上級編は、フランス各地方の、食の背景、歴史、産物、料理、お菓子、ワインの話、その他その土地がオリジンの食器なども取りあ げます。現地を旅したときに知っておくと、美味しいものがすぐ探せますよ。

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フランスの東西には、2大地方料理と言われる料理がありますが、さて、東の横綱料理、西の横綱料理は、それぞれなんでしょう?

東は「シュークルート」、西は「カスレ」です。どちらも、ダイナミックでその土地の素材がふんだんに使用され、いつの時代でも愛される料理。さらに素晴らしいのは、その土地を超えて、多くのフランス人の胃袋をぐっとつかんだ、そんな代表的な料理です。

フランスには、日本と同様、発酵バターと発酵させていないバターの2種類があるのですか?

フランスのバターはすべて発酵バターです。かつてフランスでは、農家がバターを作っていたのですが、 牛乳を殺菌する技術がなかったので、自然に発酵していたのだとか。
1866年にルイ・パスツールなどによって殺菌法が開発され、 その後は殺菌された牛乳でバターを作ることになったのですが、バターに発酵臭をあえてつけるために、今では乳酸菌を添加して発酵バターを製造しているそうです。

フランスでは1月6日をエピファニーの日と定め、ガレット・デ・ロワを食べます。 エピファニーは、日本では、「公現祭」と言われますが、どうしてそのような訳語になったのでしょうか?

それは、何かが公に現れたからこのような訳語になったのです。何が?あるいは誰が現れた?キリスト様が、です。
キリストは12月25日に生まれたということになっていて、それでクリスマスをお祝いするのですが、実は生まれたときは、世の中の人は誰も知りませんでした。
しかし、その日、はるか向こうに赤い星を見た3人の聖人が、「これはお偉い方がお生まれになったにちがいない」ということで、はるばる東方から旅をし、ベツレヘムの馬小屋にたどり着き、赤ちゃんのキリスト様にお会いしたのです。
その日が1月6日と定められ、ガレット・デ・ロワを食べて祝うことになりました。

フランス南西部では、カスレという肉と豆の煮込み料理が有名ですが、このカスレ、3つの地域で具が異なり、それぞれが自分の地域が発祥地だと言い張っています。この3地域とは?

カステルノダリー、カルカッソンヌ、ツールーズです。
カステルノダリ―のカスレは、豚肉、ハム、ソーセージが欠かせず、カルカッソンヌのものはさらに羊のもも肉が、ツールーズのものは、ベーコン、羊肉、ガチョウの肉、鴨のコンフィなどが加わるそうです。

フランス人が最もたくさん食べていると言われるチーズは何でしょう?

コンテチーズです。コンテチーズは、フランシュ・コンテ地方を中心に13世紀から作られている大きな円形のチーズです。
生産量も輸出量もフランス一と言われています。一年中作られていますが、夏に放牧した牛のミルクで作ったものがフルーツや花の香りもあり美味です。
フランスでは、サラダに混ぜたり、サンドイッチにはさんだり、フォンデュにしたりと引っ張りだこのチーズです。

フランスではクリスマスには、クリスマスのお祝いのお菓子として主にビュッシュ・ド・ノエルを食べますが、伝統的にクリスマスにはビュッシュ・ド・ノエルを食べない地方があります。それはどこでしょう?

アルザス地方とプロヴァンス地方です。 アルザス地方は、クリスマスのお祝いにたくさんのお菓子を用意します。 ドライフルーツを少量の小麦粉で固めて焼くソーセージ状の「ヴェラベッカ」をはじめ、人の形をしたブリオッシュ「マヌラ」、そして80種類もあるといわれるクッキー類、もみの木にも飾るスパイスクッキー、「パン・デピス」、ブリオッシュ生地にドライフルーツを入れてでつくるシュトーレンに似た形の「クリストーレン」などを用意します。
また、プロヴァンス地方では、キリストを表すブリオッシュ「ポンプ・ア・ルイユ」を中央に置き、その周りにドライフルーツや生のフルーツ、カリソン、ヌガーなど12種類のお菓子を置いてクリスマスを祝う伝統があります。
これを13のデザート「トレイズ・デセール」と言い、12種類のお菓子は、キリストの使途を表すと言われています。
プロヴァンス地方においては、今ではビュッシュ・ド・ノエルを食べるという若者も増えているということです。

フランス語でパン屋を示すことばは?

ブーランジュリーです。綴りはBoulangerie。「ブーランジェリー」ではありません。 一方、パンを作る職人さんは、ブーランジェ(Boulanger)と呼びます。 お菓子屋さんは、パティスリー「Pâtisserie」。お菓子を作る職人さんは、パティシエ「Pâtissier」です。

マロンは本来は食べられません。マロンがなる木の名前は?

マロニエです。マロニエの実、マロンは、実は本来食べられません。食べられる栗は シャティニエ(Châtâigner)という木からなるシャティニュ(Châtâigne)ですが、食用という観点から、シャティニュが、いつのまにかマロンと呼ばれるようになったらしいのです。

レストランとはどういう意味?

レストランとは、機能や健康などを回復させるrestaurerという動詞から由来した
言葉です。レストランの起こりは、フランス革命の30年前。パリのブーリ通りで
ブーランジェというパン屋さんが、肉や野菜が入った「レストラン」という名前の
煮込み料理を出していたそうで、この料理が人気となり、その料理名が料理を提供する店の代名詞になりました。
その後、1789年のフランス革命後には、職場を失った元宮廷や貴族に仕えていた料理人たちが外に飛び出し、レストランを 開き、多くの富裕層を虜にしたと言います。革命後40年あまりでレストランの数は、3000軒に達しました。

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上級編では、フランスに各地方の食について、その背景となる歴史、風土、習慣なども含め、解説します。
フランスは、その地方にこそ、フランス料理やお菓子本来の姿があります。それらを知ることによって、より深く、フランスの食 が理解できるとともに、各地を旅する際、その知識があれば、料理もお菓子も、より美味しく、より深い感動を味わうことができ るのではないかと思います。フランスの地方、いわゆるレジオン(地域圏)は、2016年1月に22から13に再編されました。 各地域圏は、さらに細かいdepartement(県)からなり、県の数は、フランス本土では96、海外県をあわせると、100に上りま す。

13の地域圏と( )内はその首府

  • ①Bretagne (Renne)
  • ②Pays de la Loire (Nantes)
  • ③Normandie (Rouen)
  • ④Nord―Pas-de-Calais-Pidardie (Lille)
  • ⑤Ile-de-France (Paris)
  • ⑥Alsace-Champagne-Ardenne-Lorrairne (Strasbourg)
  • ⑦Centre-Val de loire (Orleans)
  • ⑧Bourgogne-Franche-Comte (Dijon)
  • ⑨Aquitaine-Liimousin-Poitou-Charentes (Bordeux)
  • ⑩Auvergne-Rhone-Alpes (Lyon)
  • ⑪Languedoc-Roussion-Midi-Pyrenes(Toulouse)
  • ⑫Provence-Alopes-Cotes d’Azur (Marseille)
  • ⑬Corse (Ajaccio)
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なお、このページでは、2016年1月以前に、より細かく分けら れていた22地方を基準にご紹介したいと思います。 そのうち、Nord,Pas-de-Calis,Picardie地方は、北フランスという ことで、ひとつにまとめます。 また、バスク地方は、アキテーヌ地方とは別に記載します。

バスク地方

地理、風習

バスク地方は、フランス南西部アキテーヌ地方の一部で、ピレネー山脈の最西端部に位置し、ビスケー湾に面し、スペインとフランスをまたぐ地域で、スペインに4県(アラバ県、ビスカヤ県、ギブスコア県、ナバラ県)、フランスに3地方(ラブール地方、低ナバラ地方、スール地方)の合計7つの県または地方に分かれています。ということで、現地のビストロなどで使用している赤や黄色、青のラインの入ったテーブルクロスがありますが、このラインは7本と決まっていて、それはバスク地方の7つの県または地方の数と言われています。

7本線

ビスケー湾に面している地域では、海岸線に出入りが激しく、海岸は切り立っているところが多いですが、19世紀前半以降、リゾート化が進み、ビアリッツなどは、今でも高級避暑地として人気のある海岸で、サーフィンの発祥の地としても有名です。また、ナポレオン3世皇后ウージェニーの旧宮殿を利用した5つ星ホテル「Hotel du Palais」があることでも知られています。

ビアリッツ

ピレネー山麗の山バスクには、バスク独特の色合い(赤、白、緑)の家々が点在するのが印象的です。また、サン・ジャン・ピエ・ド・ポールは、中世より、フランス各地から、スペインの聖地、サンチャゴ・デ・コンポステーラへの巡礼者が集まる宿場町として栄えました。今でも、この町には巡礼者の登録所があります。

  • バスクの家並み
  • コンポステーラ

バスク地方は、バスク語やバスク独特の書体、ぺロタ(素手、グローブ、ラケットなどをつかって、壁に向かってボールを打つ)と呼ばれる、球技など、他のフランスの地域とは異なる独自の文化や風習を持つ地方です。各地で見受けられる旗には、ローブリューと呼ばれる逆卍に近いバスク十字が描かれています。そこに描かれている4本の羽は、火、大地、空気と水を表すとのだとか。そして、男性はベレー帽をかぶる習慣があり、これは、19世紀のカルリスタ戦争(1833年から1876年まで続いスペイン王位継承をめぐる戦争)の兵士の制服だったものが、現代でも受け継がれているのです。

生ハム&ベレー帽
食材

バスク料理に欠かせない素材と言ったらエスペレットの赤唐辛子。ピモン・デスペレット(Piment d’Espelette)でしょう。エスペレットという小さな村で作られている唐辛子。パプリカより細めで、これを干し柿のように干して乾燥させ、粉末にして、卵料理や肉料理にかけていただきます。後味に甘味が残るのが特徴です。

  • ピモン・デスペレット
  • 唐辛子

海岸の地域では、魚介類が豊富です。パリなどではめったに食べないタコやイカもバスクでは食べます。また、山間ではどんぐりを食べて育てるバスク豚(今日本でも、ピエールオテイザさんのバスク豚をいただくことができますね!)をハムやソーセージ、生ハムに加工します。バイヨンヌでは毎年春には生ハム祭りも行われます。

  • バスク豚
  • いかの料理
料理

前菜としてポピュラーなものは、ピペラドPiperadeです。卵をトマト、唐辛子などとさっと煮る料理。魚介類の料理でぜひ召し上がっていただきたいのが、バスク風ブイヤベース、Ttoroです。数種類の魚や貝類を煮た一皿。もちろん、ピモン・デスペレットをふりかけて。また、マグロをトマトや香草、唐辛子で煮たまぐろのバスク風Thon basquaisもよく見かけます。お肉料理でポピュラーなものは、トマトやその他の野菜と鶏を煮込む、鶏のバスク風Poulet basquaisです。

  • ピペラド
  • まぐろ
  • トゥロ
ワインとチーズ

チーズは、やさしい甘味のある羊の乳でつくるオッソ―・イラッティーが美味。薄く切って生ハムと一緒に、または、ブラックチェリーのジャムを添えて食べたりします。このチーズには、地元のイレルギーの赤ワインがおすすめです。

オッソ―・イラッティー
お菓子

バスクで代表的なお菓子といえば、柔らかい生地にカスタード・クリーム、またはチェリーのジャムが挟んであるガトー・バスクです。このお菓子は17世紀から作られていて、もともとは土地のフルーツをはさんでいたそうですが、そのうちフルーツも淘汰され、イッツァスーItxassou村のブラックチェリーのジャムを主にはさむようになり、現在では、カスタード・クリームも使用するようになりました。ベレ・バスクは、バスクの男性がかぶるベレー帽をまねて作られたお菓子。スポンジ生地にチョコレートクリームがはさんであり、表面をチョコスプレーで覆ったこのお菓子も店頭でよく見かけます。

ガトー・バスク

また、バイヨンヌは、スペインから亡命したユダヤ人が、17世紀にチョコレート工場を創設した土地で、フランスで初めてチョコレートが製造された町でもあります。そんな歴史から、バイヨンヌではチョコレートを多く生産、販売。中でも、DARANATZやCAZENAVEは、1800年代創設。バイヨンヌを代表するチョコレート屋さんです。

フランス各地で作られているマカロンも、この地にあります。中でも、サン・ジャン・ド・リュズのパティスリー、Maison Adamのマカロンは、1660年、ルイ14世がスペインのマリー・テレーズ・ドートリッシュとこの町で結婚式をあげた際、献上されたマカロンということで、当時の製法を今も守り続けています。

アダム

ミニ情報:
スペインに近い、サール村にはガトー・バスク博物館があり、ガトー・バスクの作り方のデモンストレーションを見学することができます。
Le Musee de gateau basque:Maison Haranea,D406,64310 Sare
www.legateaubasque.com

博物館の車

ローヌ・アルプ

首府は、リヨン

ローヌ・アルプ地方は、スイス中央部の氷原を水源とするレマン湖を経てリヨンに至り、地中海まで流れるローヌ河を中心に、イタリアと国境をなすフランス・アルプスまで地域です。
この地方を代表するものは、なんといってもフランス2番目の都市、リヨンを中心に広がる美食の王国ではないでしょうか。偉大なる料理人ポール・ボキューズが経営するポール・ボキューズ、ジョルジュ・ブラン、トロワグロ、ピラミッドとフランスを代表するグランレストランが名を連ねます。

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ポール・ボキューズのレストラン外観

リヨンは、ソーヌ川とローヌ河の合流地点で、交通の要として発展し、古代ローマ時代フランスがガリアと呼ばれていたころの首都です。ソーヌ川とローヌ河の間の地区はルネッサンス時期の建造物や広場が美しく、そんな歴史地区は、1998年ユネスコ世界文化遺産に登録されました。15世紀以降は、フランソワ1世の指示のもと絹織物工業も発達しました。
リヨン以南のローヌ河丘陵では、コート・デュ・ローヌのワイン畑が広がり、リヨン北ではボージョレのワインが生産されています。
また、スイスに隣接したサヴォワ地方では、ヨーロッパ最高峰のモンブランを眺めることが出来、冬にはシャモニーやムジェーヴに、世界中からスキーを楽しむ人たちが訪れます。
その中心アヌシーは、フランス人に大人気の保養地。旧市街には常に花々が咲き乱れ、中世の美しい街並みはサヴォワの宝石と言われています。

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イゼール県の中心地グルノーブルは、AOP取得のくるみの産地でも知られていますが、古代エジプト文字を解読したシャンポリオンや文豪スタンダールを輩出した歴史的な町です。グルノーブルの北、シャルトルーズ山塊の奥深くには、戒律の厳しさで知られるシャルトルーズ修道院があります。ここで古くから生産されているのが、食後酒やカクテルでも飲まれる「リキュールの女王」と称される薬草酒、シャルトルーズです。
そしてさらに南下していくとヌガーで有名なモンテリマールという町があり、ヌガーを生産するアトリエでは、内部を見学することができます。

伝統料理

この地方は、世界中から美食家が集まるレストランが集結しているまさに美食の都。しかしそんなグラン・レストランに行かなくても、美味しい料理は町場のブッションと呼ばれるビストロに入れば、何かしらの伝統料理を味わうことができます。

フランスが誇るシャロレー牛はもちろん、リヨンの東に位置するブルグ・アン・ブレスで育てられるAOP取得のブレスの鶏料理を求めて今日も車を走らせている人がいるはず。

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また、ローヌ河とソーヌ河で釣れる川魚もよく食べます。とくに川かますのすり身に卵や生クリームなどを混ぜてつみれのように仕立てたクネルQuenelleは有名。これにはドンブの池で採れるザリガニのソースが添えられます。また、リヨン郊外で栽培されるたまねぎもリヨン料理には欠かせず、半熟添えのリヨン風サラダにはつきものです。シャルキュトリーでは、リヨンならではのソーセージがあり、そのリヨン風ソーセージをつめたブリオッシュSaucisson en brioche a la Lyonnaiseや豚の血を加えてつくるブーダン・ノワールBoudin noirなどが代表的。内臓料理が好きな方には、豚の頭のグリルTete de cochon grilleや、鶏レバーのムースGateau de foies de vollailleもおすすめです。

また、リヨン近郊では、乳製品も多く生産され、生クリームやフロマージュ・ブランが美味しい。フロマージュ・ブランにエシャロットやハーブ、ヴィネガーなどを混ぜて作るセルヴェル・ド・カニュもおすすめです。セルヴェル・ド・カニュCervelle de Canutというのは、絹職工の脳みそと訳しますが、かつては絹織物が盛んだったところから名付けられたのでしょう。

ローヌ・アルプ地方でもよりスイスよりのサヴォワ地方では、チーズ料理が楽しみです。ラクレットRacletteという直径30cm前後の羊乳でできるチーズの断面を温めて、表面がとろけてきたところをナイフですくってゆでたジャガイモやピクルス、生ハムといただきます。

raclette

また、ルブロッションRebrochonという生ピーナッツのような優しいミルクの香りの牛乳でつくるチーズも、表面を熱にかざし、溶けたところをすくってラクレットと同じようにいただきます。

rebrochon

同じルブロッションを使ったじゃがいも料理、Tartifletteタルティフレットもぜひお試しください。これは、じゃがいもを土地の白ワインでゆでてチーズをかけたグラタンです。

tartiflette

また、チーズフォンデュも各家庭のレシピ(混ぜるチーズの種類が異なる)があるということです。その他、チーズでは、ボーフォールBeafortトム・ド・サヴォワTome de Savoieがおすすめです。

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お菓子

ローヌ・アルプ地方のお菓子は、乳製品を使ったもの、歴史や伝説をもとに生まれたもの、村のオーベルジュで作られ復興に役立ったお菓子など、それぞれ特徴があるものが目立ちます。

Tarte bressaneタルト・ブレッサンヌ:ブリオッシュ生地に濃厚なクレーム・エペスというクリームを乗せて焼いたパン菓子

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Galette pérougienneガレット・ペルージエンヌ:リヨン郊外の「フランスの最も美しい村」の一つに選ばれているぺルージュという村のオーベルジュで作られたお菓子。レモン風味のブリオッシュ生地を平たくのばしてバターと砂糖を広げ焼く。大判のピザのような形。

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Coussin de Lyonクッサン・ド・リヨン:リヨンは絹織物が盛んだったのですが、その絹でつくったクッションを形どっているコンフィズリー。17世紀リヨンで疫病が流行した際、丘の上の聖母マリアにこの疫病から救ってくれたら、絹のクッションに金貨を乗せて届けることを誓ったという伝説がもとで作られたお菓子と言われています。ガナッシュと刻んだアーモンドを着色したマジパンで覆ってあります。

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Gateau de Savoieガトー・ド・サヴォワ(ビスキュイ・ド・サヴォワとも言う):14世紀、サヴォワ地方のシャンベリー城でときのサヴォワ伯爵が神聖ローマ皇帝をうならせるようなお菓子を作るように命じられた菓子職人が、ならば、お城の形をお菓子にと作られたお菓子だと言われています。コーンスターチ入りの軽いスポンジケーキです。
赤いプラリネ:赤く着色した糖衣をアーモンドに7回かけてつくるコンフィズリー。砂糖の部分が厚いので、そのまま食べると固いため、お菓子作りに使用します。

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Tarte aux pralines rougeタルト・オー・プラリネ・ルージュ:赤いプラリネを砕いて生クリームと合わせてタルト型に敷きこんで焼くお菓子。意外な美味しさ。

Brioche St-Genixブリオッシュ・サン・ジュニ:サヴォワ地方のサン・ジェニ・シュール・ギエールの赤いプラリネを散らしたブリオッシュ。3世紀シチリアの聖人アガタが、政府高官に結婚をせまられたが、断ったため乳房を切り取られてしまいました。しかしその後、乳房は蘇ったという伝説をもとに作られたお菓子です。赤いプラリネは乳首を表現していると言われています。

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Nougat de Montelimarヌガー・ド・モンテリマール:ドローム県に位置するモンテリマールで16世紀から作られている、立てた卵白とナッツ、フルーツのコンフィなどを混ぜて作るコンフィズリー。

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Tarte aux noix, Cake aux noixくるみのタルト、あるいはケーク:グルノーブル近辺で産出されるAOP取得のくるみを使用して作られるタルトなどのお菓子も名物です。

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コルシカ

首都は、アジャクシオ

歴史、風土、習慣

コルシカは、今フランス人にも人気のバカンス地です。豚肉加工品、お菓子、そしてワインやビールなども他にはない味のものがたくさん見受けられ、美食家たちをうならせる島でもあります。面積としては、シチリア、サルディーニア、キプロスに次いで地中海で四番目に大きい島です。

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1000kmにおよぶ島の海岸線は美しい砂浜や花崗岩に彩られ変化に富み、野性的な渓谷、斜面に生い茂る松と栗の森林、マキと呼ばれる灌木の茂みとオリーブ林、春なお冠雪の標高2000mを越える高峰などと共に、2500年前に古代ギリシャ人がこの島に与えた「カステリ」(最も美しい、島の中の島)という呼び名に恥じません。特にアジャクシオとカルヴィの間にあるポルト湾を中心とした地域は、活火山から流出した花崗岩によってつくられた赤い巨大な岩々と、美しいサンゴ礁のコントラストがすばらしく、現在はユネスコの世界自然遺産として保護されています。

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人口約30万人。先史、石器時代から人の営みが見られ、巨石遺跡を残した南からの文明の影響を受けています。この頃コルシカ原住民の核が出来たと思われています。その後、地中海が文明の回廊と言われるが如く、北アフリカ、フェニキア、ギリシャ、エトルリア、カルタゴの海洋の民が痕跡を残していきます。紀元前3世紀ポエニ戦争で地中海の覇権を得た古代ローマが地中海の覇者として栄えた4世紀までコルシカにもパックス・ロマーナが訪れます。西ローマ帝国滅亡後はヴァンダル、東ゴート、ビザンチンと侵略が続き、8世紀にはサラセン(ムーア人)の執拗な侵略を受けて人々は海岸から遠く、峡谷や岩山に隠れ住みます。この時期内陸的なコルシカ人気質が形成されます。現在それらの村々は絵画的に美しく人々を魅了します。

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11-13世紀ピサ共和国、13-18世紀ジェノヴァ共和国に支配されます。1729-1769年ジェノヴァの圧政に対し独立運動が起こり、1769年ジェノヴァからルイ15世に譲渡されフランス支配となります。この年アジャクシオでナポレオンが誕生、フランス革命後フランス県政が敷かれ、文化的には地中海諸国の影響を受けていますが、特にイタリアの影響が大きくコルシカ語はイタリア語に近いものがあります。

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素材、料理

コルシカの産物としては、原材料としての栗,豚や山羊、羊の畜産、チーズ(気候的に乳牛は飼育されないので、牛乳からできるチーズはないが)、蜂蜜、オリーブオイルそしてワインと豊富です。栗はパンの木と呼ばれ、実は収穫後、選別、洗浄、皮剥き、乾燥、燻製を経て粉に挽かれパンやお菓子に加工されます。栗や椎の林の中でその実を食べながら育った豚は生ハムやサラミに加工され、それらの呼び方は部位によって異なります。たとえば、首の肉でできたサラミは、コッパCoppaと、また、燻製にしたフィレ肉はロンゾLonzoと呼ばれます)ます。

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また、山羊や羊のお乳からはコルシカならではのチーズが生産されます。とくに11月から7月まで生産される山羊または羊のチーズ、ブロッチュBroccioのフレッシュは、生地に詰めて焼いてお惣菜、ショーソンにしたり、フライパンで焼くお好み焼きのようなベニエの具にしたり、お酒やコーヒーをかけて(そこにちょっと砂糖をふりかけ)いただくコルシカ人のデザートとして食されます。

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マキと呼ばれるハーブや種々の花々を持つ灌木の茂みはコルシカならではの独特のはちみつを作りだし、また、それらを蒸留して、エッセンスオイルなどの原料にします。海岸部では魚介類が豊富で、東海岸では古代ローマ時代から牡蠣の養殖も行われています。

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また柑橘類も豊富で、特にセドラと呼ばれるレモンを大きくしたフルーツはコルシカ独特です。セドラは実を食べるものではなく、厚い皮の部分を砂糖漬けにしたりリキュールに利用したりします。

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お菓子

コルシカは平原が少なく穀物が取れなかったので豊富にある栗の実から粉を作り、それをパンやお菓子にして食べていました。今でも栗粉のお菓子はマルシェなどに売られていますが、栗粉自体は、栗林がだんだん縮小されてしまったので、現地でも高価です。栗からつくるビール、ピエトラPietraも美味しいです。また、山羊、羊のチーズを利用したガレット、ビスキュイの焼き菓子、揚げ菓子に加工したもの、宗教的な祝祭日に食したブリオッシュやパンなども種類が豊富です。

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  • pietra

Fiadone/フィアドーヌ
コルシカ特産ブロッチュ(山羊、羊のフレッシュチーズ)入りのチーズケーキ。ブロッチュに卵、砂糖、レモンを混ぜて焼いたもの。

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Imbrucciata/Ambrucciata/アンブリュチャータ:アジャクシオ名産フィアドーヌのアパレイユのタルトレット

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Galette corse/ガレットコルス:栗粉を使ったガレット
Falculella/Falculelle/ファルキュレーラ:栗の葉の上で焼く、コルテ名産ブロッチュ入り金色のガレット

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Migliacci/Migliacciu/ミリアッチ:コルシカ北部のスペシャリテ、山羊、羊のチーズ入り、塩味のガレット
Finucchetti/Finuchjetti/フィニュチュティ:アニス粒入りビスキュイ

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Canistrelli/カニストレリ/コルテ発祥:栗粉と小麦、蜂蜜、卵などを混ぜて焼上げたコルシカの代表的な素朴なビスキュイ。プレーン、アーモンド、レモン、チョコチップ入りがありバリエーション豊富

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Castanini/カスタニーニ:カニストレリより栗粉が多く、中の色も栗色っぽい、素朴な味わいのビスキュイ

Cucciole au citron/a l’anis/au vin blan/aux amandes:アジャクシオ名産のいろいろなビスキュイ
Torta castanigna/トルタカスタニーニャ:ラムで香りづけしたクルミ、アーモンド、松の実、干しブドウのタルト
Gateau ala farine de chataigne:栗粉を使ったお菓子

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Castagnacciu/カスタナッチュ:バスティア名産栗粉の菓子
Tarte aux figues corse/タルトオフィグコルス:コルシカ産イチヂクのタルト
Panette Corse/パネットコルス:コルシカのブリオシュ

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Panette au Brousse :ブルースチーズ入りパネット
Canistron(panetta/panette)/カニストロン:ブリオッシュ、ナチュール、アニス風味
揚げ菓子
Frappa/Frappe (beignets ?bugnes corse) /フラッパ:コルシカの典型的な揚げ菓子のデザート、家族のお祝い、洗礼式のお祝い、誕生日などに食する
Fer a cheval /蹄鉄型のベニエ Oreillet /耳型のベニエ Mervveille/薄型のベニエ
Bugliticcia(manfare)/ブリティチャ:山羊、羊のチーズのベニエ
Fritelle Corse/フリッテールコルス:栗粉を使いアニス系で香り付けした甘いベニエ
Fritelle aux pommes/フリッテールオポム:リンゴ入りフリッテール
Beignets au brocciu /Fritelle au brocciu:ベニエオブロッチュ/ミント、ソーセージ、ブロッチュを包んで揚げたスナック風揚げ菓子

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Panzarotti(Beignets de riz corse)/パンザロッテイ:お米のベニエ、祝祭日に作られるイースト生地の揚げ菓子、牛乳で煮た米と蒸留酒、メレンゲを加えて揚げ、食べる時は砂糖を振っていただく
Fugazzi/フガッツィ/Inuliata/イヌリアータ:アジャクシオ名産の復活祭に食されるガレット、アニス、アーモンド風味

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Caccavellu/Cacavelli/カカヴリ:コルシカの復活祭の菓子パン
Canestra/カネストラ: 復活祭の菓子、輪っか状、⑧の字状

Pan di san Roccu :サンフローラン名産聖ロッカのパン
Pain des morts(Pan di morti)/パンデモール/:ボニファシオ名産死者のパン、本来は11月2日に食す

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Salviata/サルヴィアータ:コルシカ北部のスペシャリテ、アニス、シナモン風味の菓子パン、死者のパンと同じ万聖節の時期に食されるが味と形は全く異なる。セルヴィア、サージの頭文字Sの形をしている

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ロレーヌ地方

首府は、メッス

歴史、風土

ロレーヌ地方は、9世紀のカール大帝の3人の孫たちによって、カロリング朝フランク王国が分裂し、中部フランクをロタール1世が相続し、そのロタール領と呼ばれ、11世紀以降その名からロレーヌ公国となりました。
その後中世を通してロレーヌ公国は神聖ローマ帝国(962年~1806年)に属していましたが、ポーランド王を廃位させられ、ロレーヌ公となったスタニスラス・レクチンスキー公の娘、マリーがルイ15世に嫁いだため、1776年にフランスに併合されました。

ヴォージュ山脈を隔ててアルザス地方と隣接しているロレーヌ地方は、その名にもゲルマンの面影ののこる北のメッスと、芸術の都として有名なナンシーの二つの町によって多くが語られています。
メッスはMetzと綴り、普通はメッツと発音しますが、土地の人はメッスと。
なぜかというと、メッツはあまりにもドイツ的で好まないとか。メッツにはMOFのFranck Fressonさんのパティスリーがあることでも有名です。
ナンシーは、17世紀以降、芸術が花開いた町でもあり、近代風景画を得意とするクロード・ジュレなどの画家を輩出。
実はこのクロード・ジュレ、画家になる前はクロード・ロランという名前でパティシエだったとかで、ある日彼がパート・ブリゼを作ろうとしていて、バターを入れ忘れたため、後からバターを包み込んだことで作られた生地が、パート・フィユテになったという説もあるのです。

また、ナンシーは、19世紀から20世紀にかけて、エミール・ガレなどを中心にした「ナンシー派」を形成したアール・ヌーヴォーという花や植物をモチーフにした芸術様式が花開いた町であり、いたるところにアールヌ―ヴォーの建築物が見受けられます。
が、旅行者が内部まで見ることができるのが、ブラッスリーの「エクセシオール」だけそうです。

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もう一つ、見学すべきはナンシーの中心、スタニスラス広場。
ここを、スタニスラス公の意志で金色に装飾をふんだんに施した絢爛豪華な鉄格子が四隅を飾り、その周囲を7つの宮殿が囲んでいます。
その一つは今の市庁舎となっています。

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伝統料理

地形としては高地や丘が多いので、小麦作りが盛んです。
また、19世紀にじゃがいもがポピュラーになってからは、じゃがいもをはじめ野菜も栽培されるようになりました。
それらの野菜と豚足、牛尾などを一緒に煮込んだロレーヌのポトフ「ポテ」は郷土食として有名です。
ロレーヌ地方で生まれ、全国的に作られるようになったお惣菜があります。「キッシュ・ロレーヌ」です。
キッシュ・ロレーヌには今では玉ねぎを入れますが、当初はベーコンだけを使っていたそうです。
豚足やベーコンといった豚の脂身やゼラチン質を上手に利用するのも、この地方の料理の特徴です。
ロレーヌ人をつかまえて、「おやじとおふくろ、どっちが好き?」と聞くと「豚の脂身の方がもっと好き」と言う答えがかえってくるほどとか。

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お菓子

アルザスのようにフルーツの生産も盛んで、特にミラベル(黄色いプラム)と赤と白のグロゼイユ(すぐり)が有名です。
ミラベルではタルトを、グロゼイユでは、ジャムが作られますが、とくにバール・ル・デュックという村で伝統的に作られるジャムは、そのバニラビーンズほどの細かい種を除く作業が大変ということで、高価で貴重なものとされています。

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ロレーヌ地方は、なんといっても18世紀にこの地を治めていた食通だったスタニスラス・レクチンスキー公とそのお抱え菓子職人、ストレールによってお菓子の話題には事欠かない地方でもあります。
宮廷から生まれてお菓子は、ババ・オー・ラム、マドレーヌが有名。

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ババ・オー・ラムは、公がある日、硬くなったクグロフにお酒をかけて食べたら美味しく食べられることを発見。
そこで、お抱え職人ストレールがそこから発想を得て、ラム酒をふんだんに使用したババ・オー・ラムというお菓子を考案したのです。
また、マドレーヌは、宮廷で宴会が催されていたときに菓子職人が不在だったため、急きょ、女中にお菓子を作らせたらそれがとても美味しかったので、そのお菓子に女中の名前のマドレーヌという名前をつけたとか。
ストレールは、その後、ヴェルサイユ宮殿でも職務を果たし、1730年にパリに初めてパティスリーを開店させます。

また、ロレーヌ地方は、チョコレートとはあまり縁のない土地ではありますが、20世紀前半、ナンシー、メッスともにチョコレートケーキが作られていた経緯があり、その名も、ガトー・オー・ショコラ・ド・ナンシー、ガト―・オー・ショコラ・ド・メッスと文献には登場。
お店では見かけませんが、家庭菓子として作られているそうです。

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お土産菓子としては、マカロン・ド・ナンシーはいかがでしょう。
このマカロンは、マカロン・デ・スール(スールとは修道女の意味)ともよばれ、フランス革命後修道院を追われた二人の修道女が、かくまってくれた家にお礼として、修道院で作っていたマカロンを作ったら、とても美味しく、やがて町で評判になり広がったとか。

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修道院で作られていたお菓子として、もうひとつあげるとすると、ヴィジタンディーヌがあります。
生地はフィナンシェに似ていますが独特の花のような形の型で焼くのが特徴です。

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コンフィズリーとしては、ベルガモット・ド・ナンシーが伝統的です。ベルガモット風味の黄金色のキャンディー。
1850年ごろにナンシーのコンフィズリーが作ったと言われています。
このキャンディーは、スタニスラス広場が描かれた素敵な缶に入って売られていることも人気の秘密でしょう。

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首都は、レンヌ

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ブルターニュという名は、5~7世紀にイギリスからこの地に移り住んだケルト人が、 イギリスを意味する「グレート・ブリテン」(フランス語でグラン・ブルターニュ)をまねて名付けたところからきていると言われています。

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この地方は、ブルトン語という独自の言語や、レースの高い帽子をかぶる民族衣装など、フランスの他の地域とは一線を画する伝統を持つ地方です。
また、紀元前2000年以上前に建造されたと言われている半島に点在するメンヒル(単一で直立した石)やドルメン(支柱石に一枚石が乗ったもの)と呼ばれる巨大遺跡も、ブルターニュの謎の一つとして話題を呼んでいます。

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大西洋に面するブルターニュ地方の産物といえば、オマール海老をはじめとする魚介類が有名ですが、内陸の土地はやせており、パンを作る小麦やワイン用のぶどうなどは育たない土地でした。
しかし、そんな土地でも育つあるものを12世紀、十字軍がアジアから十字もたらしたのです。
それが今ではブルターニュを代表する料理、そば粉のクレープの素材となったそばでした。
その後、交通が発達し、肥料の改良なども行われ、この地方でも小麦が栽培されるようになり、小麦粉のクレープも作られるようになりました。

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余談ですが、パリのモンパルナス駅周辺にはクレープ屋さんが多いのも、ブルターニュからの電車がモンパルナス駅に到着するので、その影響でクレープ屋さんが発展したと言われています。
そして、クレープですが、基本的に、そば粉のクレープは、卵やチーズなどをはさんで食べる食事用、小麦粉のクレープは、砂糖をふりかけたりジャムをはさんだりして食べるデザート用になります。

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ブルターニュ地方は海に面しているため、また天然の海塩が豊富です。
その塩を加えた有塩バターの産地でもあり、そのバターを用いて様々なお菓子が作られます。
代表的なものは、がレット・ブルトンヌです。
バターがたくさん使用されているため、香ばしく、さくさくとした食感が印象的なクッキーです。
そして、それをもう少ししっとりさせ、型に詰めて焼くのがガトー・ブルトン。

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また、ブルトン語でバターのお菓子という意味のクイニー・アマンも、その名のとおり、バターをたくさん使う発酵菓子です。

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そしてファー・ブルトン。これは、干しプラムや、クラフティーのような味わいのデザート菓子です。

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お料理は、オマールなどに代表される魚介類を使ったものが豊富。ブルターニュのブイヤベースと呼ばれるあなごやさば、たらなどたくさんの種類の魚を煮て作るコトリアードはその代表的なお料理。

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また、布で包んだそば粉を、肉や野菜などと一緒に煮る料理、キッカファーは、ブルターニュの一部の地域(ポンタヴァンなどで)作られている主菜と副菜が同時に出来上がるユニークな郷土料理です。

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首都は、ストラスブールです。

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神聖ローマ・ドイツ帝国より17世紀、ルイ14世によってフランスに帰属されました。隣国ドイツとはライン河で国境を接して おり、普仏戦争、第一次、第二次大戦と75年間に4度もドイツの占領下に置かれ、両国の狭間で苦しむ時期が続いたため、人々 は、自分たちはドイツ人でもフランス人でもない「アルザス人」という自覚が強く、家屋や民族衣装、風習なども独特です。 しかし、食文化に関しては、ドイツの影響を受けたものが多く見受けられます。

フランス内陸とは、ヴォージュ山脈で隔てられ、首都ストラスブールは、古くから東西の交通の要路となっていたためヨーロッパ の十字路と呼ばれ、現在でも欧州議会がおかれています。
ストラスブールの中心広場にそびえ立つノートルダム大聖堂は、ヴォージュ山脈の赤色砂岩を使って建立されましたが、その1本 の尖塔の高さは142mと、中世に造られたゴシック様式の聖堂としては最高の高さを誇ります。
アルザスの冬は長く、雪も多いため、「コロンバージュcolombage」と呼ばれるアルザス独特の木骨組の家は、そんな雪の重みを 避けるため屋根に鋭い傾斜がついています。
そして、冬から解放されて春になると軒先にやってくるコウノトリは、アルザス人にとって、幸せのシンボルとして愛されていま す。また、女性の民族衣装には特徴があり、昔は赤や青など様々な色のリボン風のボンネットをつけていました。しかしドイツの 支配下、アルザス人の悲しみを表して黒一色になったと言われています。

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アルザスは、フランスで最初にクリスマスのモミの木を飾った地方として有名です。クリスマス市を11月後半から開催クリスマ スのお祝いを盛大にする。これもドイツの影響です。
なお、12月6日は、サン・ニコラの日と呼ばれ、この日がクリスマスの前身といわれています。
サン・ニコラの日には、市長などが子供たちの守護神、サン・ニコラに扮し、子供たちにパン・デピスをふるまったりします。

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また、アルザスは、料理を供するお店の呼び方も独特で、庶民的なレストラン(というより食堂に近いが)は、
ヴィンスチュヴ(winstub)と呼ばれ、アルザス発祥のブラッスリーとともにアルザスで造られるビールやワインをふるまいます。

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豚肉、ハムやベーコンなどの豚肉加工品を食します。シュークルートの素材となるキャベツ、紫キャベツ、アスパラガス、コル ニッション、またストラスブールはフォア・グラのパテの発祥地としても有名。
ルバーブ、ケッチェ、さくらんぼ、ブルーベリーなどフルーツも豊富です。

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ビール:アルザスは昔からビール醸造が盛んでした。現在はハイネッケン、クローネンブルグなどの7つのビール会社が存在して います。ビールを出すレストランをブラッスリーと呼びますが、もともとはビール醸造所を指す言葉です。
ワイン:ストラスブールの西、マウレンヘイムから直線で南下し、タンへ至るまでの道をワイン街道と称し、103か所の町と村 々でワインを生産しています。その中心の町はコルマールです。
西側にそびえるヴォージュ山脈が、大西洋からの冷たく湿気のある偏西風をさえぎるので、年間降雨量は、500~650mmと 少なく、ぶどう栽培に適しています。
アルザスワインは、使用された単一品種をラベルに明記する。品種は、白ワイン用6種(リースリング、ゲヴェルツトラミネール、 シルヴァネル、ミュスカ、ピノ・ブラン)赤ワイン用1種(ピノ・ノワール)の7種類が主なアルザスワインのブドウ品種です。 また、スパークリングワインとしては、クレマン・ダルザスが有名です。

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マンステール・・・牛乳からつくられるウォッシュタイプのチーズです。その名前は、モナステール(修道院)から来たといわ れ、7世紀にマンステール村でつくられていました。ジャガイモやサラダと合わせて食べること多く、ワインは地元のゲヴェル ツトラミネールが合うとされています。

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ブレッツェル・・・アルザスを代表する、中世から食されている最も重要なパンです。茶色の焼き色が特徴。
3つの穴があり、表面にはグロ・セル(大粒の塩)がまぶしてある。3つの穴からは、3つの太陽がふり注ぐとされ、それは、繁 栄、幸運、良風を表すと言われています。

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シュークルート:発酵させた塩漬けキャベツやソーセージ、ハム、ベーコン、豚肉などとともに煮る料理。シュークルートという 名前は、ドイツ語のSauerkraut(sauer酸っぱい+Kraut草、キャベツ)に由来するアルザス方言surkrutの音が変化したものです。 なお、塩漬けキャベツそのものも、シュークルートと呼びます。

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ベッコフ:じゃがいも、にんじん、玉ねぎ、豚肉、牛肉を陶器のベッコフ型と呼ばれる型に入れ、アルザスの白ワインを注いでふ たをしてオーブンで煮込む料理です。
ベッコフとは、「パン屋のかまど」という意味。かつては、主婦が自宅で用意したベッコフをパン屋さんにもっていき、パンを焼 いている片隅でいっしょに火を入れてもらったことに由来しています。

その他:タルト・オー・オニオン タルト・フランベ など

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クグロフ:凹凸のある陶器型で作る発酵生地のパン菓子。生地には干しブドウを混ぜ込み、表面の生地上部にアーモンドを貼り付 けて焼き、仕上げに粉糖をふります。
東方の博士がキリスト誕生を知ってベツレヘムに旅をしていた際、リボーヴィレの陶器職人が宿を提供しくれました。 そのお礼に職人が作った珍しい型で東方の博士がお菓子を焼いたのがクグロフのはじまりだといわれています。ドイツ語ではクー ゲルホッフと呼ばれ、「クーゲル」は丸い、「ホッフ」はビール酵母の意味があり、かつてはビール酵母で発酵させていたという 説もあります。

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マンディアン:残ったバゲットやブリオッシュ、またはクグロフなどを利用して,フルーツなどを混ぜて作るアルザスのパンプディ ング。フルーツは主にブラックチェリーを使いますが、そのほか、りんごや、干しいちじく、干しぶどう、アーモンドなどを混ぜ ることもあります。その昔、庶民の食卓に肉料理などが並ぶことは珍しく、ポタージュのあとはこのマンディアンを食べていたと 言われています。

パン・デピス:シナモン、しょうが、ナツメグなどのスパイスを混ぜて作るビスキュイ菓子。ストラスブールは東西の商人が交易 を求めてやってくる町だったことから当時の名残を残し、スパイスを多用したお菓子が発展。
最も多く作られる時期は、クリスマスです。

アニョー・パスカル:復活祭に作る行事菓子。アニョーは羊、パスカルは復活祭を指します。復活祭は移動祝日で、「春分の日の 最初の満月の次の日曜日」と決まっています。その時期は、だいたい3月から4月にかけてです。 世の中から罪を取り除く神の子羊をキリストに見立て、そのキリストの復活を祝うとき、子羊の形のお菓子を食べることになった といわれています。

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その他、クリスマスの時期に作られる、ヴェラベッカ、マナラなど。
アルザスは、フランスで唯一、クリスマスに、ビュッシュ・ド・ノエルを食さない地方です。

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上記、ベッコフやクグロフに使用されるアルザス独特の陶器の型は、この土地独特の赤土を使って作る「スフレンハイム焼き」と 呼ばれ、ドイツとの国境近くの人口5000人の村スフレンハイムで伝統職人によって作られています。アトリエによって絵付け が異なります。

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